=・もくじ・=
1.ギリシャ神話の視点で視る ~全知全能の神ゼウス~ 2.社会秩序を重んずる 3.性悪説・性善説 4.木星への意識
=・=・=・=
1.ギリシャ神話の視点で視る ~全知全能の神ゼウス~
木星には、全知全能の神ゼウスが宿っています。
ゼウスを物語る上で欠かせないのが、
やっぱりこのストーリーと絵ですよね。
*ゴヤ〈我が子を食らうサトゥルヌス(クロノス)〉プラド美術館
結構、怖い絵ですよね。
この絵画のストーリーは、ゼウスの幼少期に遡ります。
クロノスは、ウラノスから、
「姉のレアとの間に出来た子から、その座を奪われるだろう」
と、予言を受けたのが、全ての”事”の発端です。
レアはクロノスとの間に、
・炉の神 ヘスティア
・農耕の女神 デメテル
・海神 ポセイドン
・冥府の神 ハデス
・神々の女王 ヘラ
・天空神 ゼウス
を、儲けます。
ウラノスの予言を聴いていたクロノスは、
ゼウス以外の5人に子供を食べ始め、
その胃の中に収めてしまいます。
(その最中を表現したのが、上記の画像になります)
では、どうしてゼウスだけ助かったのかというと、
タッチの差でまだ誕生していなかったんですね。
困り果てたレアが、母ガイアに相談したところ、
クレタ島にある洞窟で出産し、隠す様に命じられます。
流石は母ということもあり、
石に産着を着せてクロノスに渡したところ…
「我が子と思い込んでそのまま飲み込んでしまった」
そんな仰天同地な展開になって(笑)
ゼウスは幸いにも難を逃れています。
それから10年後の月日を経て、
知恵の女神メティスの助力を借りたゼウスは、
クロノスから5人を助け出す勲功を挙げています。
そしてオリュンポス山に居るティタン族との戦い。
「ティタノマキア」よ呼ばれる、
長きに渡る戦いに身を投じていくんですね。
(年数をカウントしたら、この時のゼウスって10歳と少し過ぎたくらい?笑)
熾烈な戦いが繰り広げられるなか、
母ガイアの助言から、地下奥深くに幽閉された、
キュクロプスとヘカトンケイルを仲間に加え、形成が傾いていきます。
キュクロプスの力によって、
・ゼウスには、全てを燃やし尽くす、雷霆を
・ハデスには、ステルス効果のある、帽子を
・ポセイドンには、海と陸を支配する、三叉の鉾を
日本神話で言う3種の神器を装備した3人と、
ヘカトンケイルの力が合わさり、
ティタノマキアの戦いは終焉を迎えます。
終戦後は、
なんとクジ引き(笑)で、
ハデス、ポセイドン、ゼウスの支配権を決めて行きます。
ゼウスは、天界を。
ポセイドンは、大海を。
ハデスは、冥界を。
そして、天界(宇宙)を支配したゼウスは、
名実ともに全知全能の神として君臨することになったのです。
破天荒な半生を送ったゼウスも、
ローマに渡った後に、
ローマ神話のユピテル(Jupiter)と、
同等の扱いを受けるようになり、
名実共に全国区の知名度になったわけです。
また、ユピテルの名前を正確に言うと、
「ユピテル・オプティムス・マキシマス」(至善至高の神ユピテル)
と、呼ばれています。
このユピテル(Jupiter)を英語読みすると、
ジュピター=木星
と、なってくるわけです。
ゼウスが全知全能と呼ばれるのは、
ただ天界を支配していただけでなく、
こういったサイドストーリーもあるんですよね。
また、ガリレオ衛星によると、
木星の周りに存在してる、
・イオ
・エウロペ
・ガニメデ
・カリスト
この4つの衛星は、
ゼウスが愛した女性や美少年の名前が付けられており、
「ん?浮気性なのか?」
と思うかも知れませんが、
これは浮気性なのではなく、
ゼウスに見初められることは、
大変な栄誉だったことが挙げられるでしょう。
人間界で考えたら、
「何言ってるかわかんない」
ってなりますけどね。笑
2.社会秩序を重んずる
さて。
ゼウスは”秩序”も重んずる神様です。
(自分の事は棚にあげているようにもみえますが…)
それは、
「鉛の神託版」からも、
ある程度読み解く事ができます。
ゼウスは予言の神としても名高く、
古代の人たちは、困った事があるとご神託を聴いて、
解決していく傾向にあったようです。
その時に使うのが「鉛の神託版」。
まずここに、
「聴きたい内容を書き留めた神託版」を、
神託所の神官に渡します。
次に受け取った神官が、
ゼウスからメッセージを貰い、
「降りて来た内容を書き留めた鉛の神託版」を、依頼者に渡します。
そして最後に、それを貰った人は、
メッセージを元に様々な事を省みて、
変わっていくための行動をしていく…のだと思います。
この鉛の神託版は、
ギリシャ北部にあるドドナの神託所で見つかっており、
ゼウスはここに居るとされているようです。
つまりゼウスは、
国の有事から一般的な悩みを幅広く取り扱っているため、
「あぁ。今の社会はこういう状態なのか」
「こういう社会では、こういう悩みが生まれるのか」
「そういった事ならば、こんなアドバイスはどうだろう?」
と、人心、秩序、社会への意識も強くなっていくんですね。
3.性悪説・性善説
性悪説、性善説。
これは、木星の宿す重要なテーマだと考えています。
どうしてかというと、
「例え神であっても、良い事もするし悪いこともする」
「その上で、どう意識して行動していくのか?」
「そしてそれを、自分や他者、社会にどう還元していくのか?」
が、ここで伝えたい事だからです。
それではまず、この2つから整理していきましょう。
*性善説とは?*
人間は善を行うべき道徳的本性を先天的に具有しており、 悪の行為はその本性を汚損・隠蔽することから起こるとする説。正統的儒学の人間観。孟子の首唱。
*性悪説とは?*
人間の本性を利己的欲望とみて、善の行為は後天的習得によってのみ可能とする説。孟子の性善説に対立して荀子が首唱。
*(Goo辞書より抜粋)
この2つをまとめると、
「人は良いことも悪いこともする生き物なんだよ」
ということ。
ゼウスにしてもそうです。
確かに悪い支配をしていたクロノスは悪いかも知れない。
だけどそれを、武力で討伐するのは、決して善行ではない。
この視点で見ると、どちらも悪行なんですよね。
戦争に置き換えれば、
戦争をした方された方に悪も善もなくて、
始めた時点でどちらも悪なわけです。(行いそのものは、暴力、殺戮なので)
人の心に持つ善と悪を常に見極めて、
その上で、
「ユピテル・オプティムス・マキシマス」(至善至高の神ユピテル)
の名に恥じない様に、木星を使って行きたい物ですね。
【木星=精神性、哲学、宗教】
と言われる由縁は、ここかも知れません。
4. 木星への意識
再三お伝えしてきたので、
もうお話する必要も無いかも知れませんが(笑)
・精神性の拡大
・精神性の拡大に伴う、人生の拡大(良いも悪いも拡大)
・社会秩序への意識拡大
・宗教・神話・遠い分野や国への興味関心
と、なっていきます。